国民生活センターのアンケートにより、ホットヨガは他の運動よりも体調不良を感じる人が多いと発表されました。
なぜ具合が悪くなるのか、どうしたら防げるのか、インストラクター目線で解説します!
ホットヨガってなんでできたの?

体調不良を訴える人が多いと言われてしまった「ホットヨガ」。
そんなものがなぜできたのか、気になりますよね。
ホットヨガの機嫌は諸説ありますが、実は発祥は日本と言われています。
きっかけとなったのは、インド出身のヨガ講師・チョードリー。
日本でヨガを教えていた彼ですが、こんな思いを抱えていたそう。

日本は寒い!
寒くて体が動かない!
怪我しそう!
ある時、温かい環境でヨガを行なった彼は、いつもより体が動かしやすかったことに気がつきます。

そうか、ヨガは温かいところでやればいいのか…。
安全だし筋肉もほぐれやすいし、効果も高そうだ。
これが、ホットヨガの始まり。
(※諸説あります)
今からおよそ40年前のことです。
温度は誰が決めたの?
ホットヨガスタジオは、ほとんどが以下のような環境です。
・室温:40℃前後
・湿度:60%前後
なぜこの環境設定なのか気になりますよね。
こちらも諸説ありますが、ヨガの発祥であるインドの気候に近づけたという話があります。

ヨガの発祥地と同じ環境にすれば、もっと捗るかも…
そんな思いの元で生まれたのかもしれませんね。
どんな効果があるの?

常温のヨガよりも、特にホットヨガで効果を得やすいものをご紹介します。
発汗によるデトックス効果
ホットヨガといえば、発汗効果。
常温のヨガよりもたっぷり汗をかくため、デトックス効果も高いです。
また、デトックス作用が高まることで美肌効果も得られます。
柔軟性アップ
寒いところよりも、温かいところの方が筋肉はほぐれやすいもの。
チョードリー氏も気づいたポイントですね。笑
したがって、常温ヨガよりホットヨガの方が柔軟性を高める効果が高いです。
冷え性の改善
環境によって外から、ヨガによって内から体を温めることができるので冷え性の改善に効果的です。
ヨガを行うことで血流のいい体になるので、一時的ではなく根本から冷え性を改善することができますよ。
ホットヨガってなんで危険なの?

さて、ここで本題に入りましょう。
なぜホットヨガが危険と言われるのかまとめます。
自律神経が乱れる
気候の変化は体にストレスを与えます。
急に暑くなったり寒くなったりすると、自律神経が乱れてしまうんです。
自然に起こる気温の変化でもストレスを感じるくらいですから、急に暑いスタジオに入ったら自律神経が乱れるのは当然。
特に、暑さは交感神経を活発にします。
そのため脈が早くなり、血管が収縮し、血圧が上がってしまうんです。
血圧に以上がない方なら問題ありませんが、血圧が高い人や心疾患を抱えている人は体調不良を感じる可能性が高いです。
脱水症状に陥りやすい
ホットヨガではいつも以上に汗をかきます。
そのため、脱水症状を招きやすいのです。
適度に水分を補給していれば問題ありませんが、レッスンに夢中になっているとつい忘れてしまうことも。
その結果、頭痛や倦怠感に苦しむことになるのです。
ミネラル不足になりやすい
汗をかくと水分だけではなく、ミネラルも一緒に外に出てしまいます。
ここが意外な落とし穴。
「水を飲めば大丈夫!」と思っていると、ミネラル不足に陥ってしまうのです。
ミネラルが不足すると頭痛、めまい、吐き気、むくみ、味覚障害など様々な体調不良を感じることに・・・。
レッスン中やレッスン後はミネラルの補給も必須です。
熱中症になる可能性がある
日本の真夏の気温は、高いところで37℃前後。
湿度は80%を超えることもありますよね。

熱中症予防のため、真夏は外で長時間運動するのは控えましょう!
なんて声高に言われるようになりました。
が、しかし。。。
ホットヨガの室温といえば、40℃前後。
湿度は60%前後。
そうなんです。
熱中症に陥りやすい環境とほぼ同じ環境なんです!
「室内だから大丈夫」と思っていると、熱中症になってしまう可能性があります。
どうしたら安全に参加できるの?

ホットヨガが危険と言われる原因を読んで、「もう辞めよう」と思った方もいるかもしれませんね。
でも、以下のポイントに気をつければ安全に参加することができます。
水分&ミネラルを補給する
当たり前のことですが、当たり前になりすぎて忘れがち。
「喉が渇いた」と思う前に水分を取るようにしましょう。
インストラクターが水分補給を促さなくても、ガンガン飲んでOK。
水分補給の時間を取らないイントラは論外ですが、イントラ側としてもお客さんが自分のタイミングで水分補給している姿を見ると安心するものです。
また、「水分」は水のみはNG。
スポーツドリンクなどミネラルが含まれているものも用意してくださいね。
呼吸を止めない
レッスンに夢中になっていると、つい呼吸を止めがち。
しかし、呼吸が止まれば血圧が上がり、自律神経も乱れます。
難しいポーズに挑戦するときは、無理をしないこと。
呼吸を最優先で行いましょう。
深く長い呼吸を続けていれば自律神経も乱れにくく、脈拍も安定しますよ。
厚着をしない
「汗をかきたい」
「肌を見せたくない」
「体型が気になる」
など理由は様々ですが、ホットヨガで厚着はNG。
必要以上に体温が上がり、体に負担がかかってしまいます。
サウナスーツや長袖は避け、Tシャツやタンクトップを着用しましょう。
不調を感じたら参加しない&退出する

今日は体がだるいけど、ヨガやればスッキリするはず!
この思い込み、とっても危険です。
少しでも不調を感じたら、ヨガは控えましょう。
常温ならまだしも、ホットヨガは体に負担がかかります。
自宅でストレッチにする、YouTubeなどで軽め&短めのヨガを行うなどし、ホットヨガへの参加は避けてくださいね。
また、レッスン中に体調が悪くなった時もすぐに中止するのがベター。
「あと15分だから・・・」なんて粘らず、イントラに合図をして退出しましょう。
まとめ
以上、ホットヨガが危険と言われる理由や、安全に参加する方法について解説しました。
きちんと対策をとっていれば、いつでも危険な訳ではありません。
ご自身の体調と相談し、水分やミネラルをしっかりと補給しながら参加しましょうね!
我々インストラクターも、みなさんが安全に参加できるよう今一度気を引き締めたいと思います^^
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